production note

2012年秋、監督 近浦啓は、藤竜也を役に想い描き脚本を執筆、出演依頼をした。「俳句のような短編映画を作りたい」という監督の想いと脚本が持つ風情に共感をした藤竜也は出演を快諾し、「EMPTY HOUSE」の製作がスタートした。

もう一人の重要な役どころである娘の役には、宝塚出身のシンガーである五十鈴ココ。撮影監督として、三大国際映画祭の招待短編映画をはじめ、NHK「タイムスクープハンター」、数々のCMの撮影を務める小川ミキ。そして、共同プロデューサーである北岡一哉の旧知の仲である手塚敦嗣がプロダクションデザイナーとして参加。彼がデザイン・制作した花瓶も劇中に登場している。

2012年12月初旬、長野県松本市でセット準備3日間、そしてその後1日をかけて撮影を行った。脚本では、娘を見送って部屋に戻った父親が珈琲を淹れる場面が最初のシーンだった。まさに撮影が開始される時、カメラが回っていないところで、藤竜也は演技に入り込むために脚本にはなかった玄関先で娘を見送るシーンから実際に演じ始めた。その背中を見た監督は心を打たれ、持ち歩いていたLeicaのカメラで一枚シャッターを切った(写真はこちら)。そしてすぐに室内に戻り、撮影カメラの位置を変更させ映像に収めた。その一部が本作のオープニングで使用されている。セリフが極端に絞られた脚本と向き合い、藤は熟練の演技で作品にリアリティと重厚な空気感を与えた。

一方、映像での演技は初めてだった五十鈴ココは、撮影現場での監督による演出だけでなく、藤竜也のアドバイスからも多くを学び、あどけなさの残る奈津美の役どころを演じきった。エンディングで流れるゴンチチの「春蝉」に脚本の架空の詩を乗せ、持ち前の歌唱力で見事に唄い上げた。

Empty House
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